自分でできる雨漏りの応急処置について

雨漏りが起こってしまったときに、「雨漏りの原因」がわかったら、二次災害を防ぐためにも「応急処置」は必要になってきます。間違った応急処置をすると、家の中に雨水が流れたままになったり、別のトラブルが発生し兼ねません。

では、雨漏りの応急処置の方法についていくつかご紹介していきたいと思います。

ビニールシートを被せる

屋根やベランダで、雨が入ってきている部分が特定できれば「ビニールシート」で覆うことで、雨が侵入することを防ぐことができます。雨が侵入している箇所をすぐに特定することは難しいため、ビニールシートで広範囲を覆うことで、応急処置をすることができます。

雨漏りの原因が必ずしも、天井の真上のような所に原因があるとは限らないため、できる限り広範囲をビニールシートで覆う必要があります。ビニールシートを被せる際に、しっかりと固定する必要はありますが、固定する際に家を傷つけてしまう恐れもありますのでお気をつけください。また、ビニールシートを被せたままにすることで、湿気がこもり、カビや苔が生える原因となるため、雨漏りがしないときは、すぐに撤去した方が良いです。

しかし、台風などの風が強い災害時だけではありませんが、雨漏りしている天候の中では屋根は滑りやすく、上るのはとても危険を伴います。安全を確保できる範囲での応急処置をお願いいたします。

防水テープで補修する

雨漏りが起きている箇所を特定できるのであれば、「防水テープ」で隙間を防ぐ応急処置をすることができます。雨漏りの原因となっている箇所を特定できない場合は別の方法をお試しください。特定できている箇所だけ防水テープで応急処置すると良いでしょう。

防水テープを貼る際は、テープの密着性を確保するため、補修箇所の洗浄行います。洗剤やアルコールを用いて油分まで除去し、きれいに洗浄することがポイントです。洗浄を完了させ、拭いて乾燥したら、防水テープを貼っていきます。防水テープは雨水の流れに逆らって貼ると良いため、下側から上側に向かって貼ると良いです。さらに、空気を入らないようにすることや、テープどうしが重ならないようにすることで、テープがはがれにくくなります。

バケツを置く

雨漏りの水が、床に染み込んでしまうと、床が腐植してしまう可能性があります。さらに、雨水が広範囲に広がることで、電化製品を漏電させたり、カーペットや布団などを水浸しにさせてしまったりと、様々な被害をもたらしてしまう可能性があります。

そこで、バケツなどに、雨水を貯めることが必要になってきます。しかし、「屋根」が原因で、高い天井から雨水が落ちてくる場合、勢いで水が飛び跳ねる可能性があるため、バケツの周りに、タオルやシートを引く必要が出てくる場合もあります。

雨漏り業者に頼む

雨漏りの原因や状態、範囲によって応急処置の費用は大きく異なってきます。業者に依頼をした場合、応急処置をしてもらうだけでも人件費がかかってしまうため、2~3万円ほどかかってしまいます。ただ、素人が応急処置を行うよりも、屋根の仕組みや専門的な知識が熟知している人にお願いをした方が、間違いありません。また、危ない高所作業で怪我をする心配もありません。

ご自身で応急処置できることには限度があります。実際の費用や労力の負担だけではなく、作業時間も考慮すると、結果的に業者に依頼する方が確実で安心・安全ということになります。

ご自身での細かい原因調査は難しいですし、応急処置だけでは雨漏りが再発してしまう可能性もあります。自分でできる応急処置をした場合も、その後は早めに業者に相談し、原因調査を依頼して、根本的な修理をしてもらうと良いでしょう。

台風などの突風による雨漏りのときは、火災保険の一部が利用可能な場合もあります。ご加入している保険内容を今一度ご確認ください。

※築10年未満で雨漏りが発生した場合

基本的に、新築住宅を建てる際、住宅瑕疵担保責任保険への加入が義務付けられており、その保険での雨漏りの修理ができる場合があります。特に、築10年以内の場合は、工務店や販売店などに連絡を行い、住宅瑕疵担保責任保険や火災保険も利用できるかどうかを確認してみると良いです。

雨漏りの時やってはいけないこと

雨漏りの時、やってはいけない応急処置も紹介しておきます。間違った応急処置をしてしまうと、をさらに状況を悪化させてしまう場合があるため、やってはいけない応急処置もしっかりと覚えておきましょう。

むやみにコーキング剤を塗る

防水用のコーキング剤がホームセンターなどで安く販売されており、DIYで雨漏り修理をするのに便利ではありますが、素材によっては相性が悪いものもあります。

本来、プロでもコーキングをする場合、下処理が重要です。実際に修理の工事が必要になったら、後で剥がす手間も発生するので、むやみにコーキング剤で修復を試みるのは得策ではありません。

屋根のブルーシートの押さえに土のうを使う

屋根にブルーシートをかぶせても、強い風が吹くと飛んでしまいます。それを防ぐために土のうがよく使われますが、災害状況によっては、土のうの土が出てきたりと大変危険です。

また、土のう袋自体が滑って落下したり、土のうの重みで瓦などがずれる事もありますので、ブルーシートが飛ばないようにとむやみにたくさん置くのはNGです。

天井板を切り取る

雨漏りがひどくなると、天井の板(天井材)そのものが濡れてシミができてしまいます。その対処法としてDIYで部分的に切り取り・補修をする人がいますが、雨漏りで傷んだ屋根などは、通常の状態でするDIYの感覚とは違いますので、雨漏りの調査のできていない状態で切り取るのはおすすめしません。

現状調査もしないで切り取ってしまうと、後で施工をする際はかえって施工範囲が広くなることがありますので、雨漏りの施工経験や知識がない場合はやめてください。

むやみに防水テープを貼る

防水テープを安価で手に入る上に、とても便利です。簡単に修理できるのがメリットですが、貼り方を間違えてしまうと、防水効果が発揮できません。また、その場合は効果も長続きはしません。

市販の防水テープはプロが使うものよりも防水性能が低く、雨漏り再発の可能性も高いです。雨漏り箇所が特定できている場合は、そこだけを防水テープで応急処置をして、天候が治ったら雨漏り業者に調査・修復を依頼しましょう。

自分で釘を打つ

屋根の雨漏りで多い原因は、ストレート版や棟板金の釘が緩んで、板が浮き上がり、雨漏りが起こることです。雨が止んだ後に自分で屋根に上がり、釘を打ち直そうとする人がいますが、劣化してその状態になった屋根にむやみに釘を打ち直すと釘穴がさらに広がってしまい、雨漏りが悪化する可能性があります。

これらの応急処置は知らない方はやってしまいそうな内容ですが、さらに雨漏りの事態を悪化させる可能性があるため、やめておきましょう。